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ハト豆ねっと


おしゃべりインタビュー



ハト豆記者のおしゃべりインタビュー!

今月のおしゃべりインタビューは
盛人大学・事務局の
 『鷲巣敏行さん』です。



楽しく学んで地域デビュー!
人気を集める西川口の「盛人大学」



50歳以上の市民を対象にした川口市の『盛人大学』
今年は300人の定員に600人以上が応募して、大人気!
コースは8コース。
「社会教養」や「コミュニティデザイン」「再発見!郷土川口の歴史」「農業体験」などがあって、楽しさいっぱい!
人・地域・社会が共に学ぼうと平成18年に開校されてから6年目。
昨年には西川口駅東口に専用キャンパスもオープンして、益々充実。
地域のにぎわいづくりにも一役買っています。
そこで事務局・参与の鷲巣敏行さん(63歳)に盛人大学の魅力をインタビューしてみました。





ハト豆: 盛人大学が出来たのはいつですか?

鷲 巣: 平成18年です。
各年でやってましたので、今年で6年目になります。
平成17年の盛人式実行委員会のメンバーから「盛人大学のようなものを作ろうじゃないか」という発案があったんですね。
それで各年で開催されていた盛人式の間を埋めるような形で始まりました。
実際に「盛人大学」として本格的に起動し始めたのは、昨年、ここにキャンパスが出来たときからです。
初めは1コースしかなかったんですが、それが3つになって、去年からは8コースになりました。

ハト豆: どんなコースがあるんですか?

鷲 巣: 社会教養」(定員45名)、「カウンセリング入門」(定員35名)、「国際」(定員40名)、「健康生きがいづくり」(定員35名)、「コミュニティデザイン」(定員25名)、「社会起業・ビジネス」(定員35名)、「再発見!郷土川口の歴史」(定員40名)、「農業体験」(36名)、「市政を知ろう」(15名)の8コースがあります。
今年も応募者が多くて、306名の定員に601名もの応募がありました。
約倍の応募ですから抽選になるんですよね。
コースによってもバラツキがありますが、今年初めての「再発見!郷土川口の歴史」は、人気がありましたね。昨年の御成道まつりの影響なのか、歴史に興味を持つ人が増えたんでしょうね。
40名の定員に4倍の154名の応募がありました。
去年は「社会教養」が4倍の人気だったんですよ。



ハト豆: 毎年、申込者が増えてるんですか?

鷲 巣: そうですね。
去年も600名以上の応募がありましたから、それだけニーズが高いのかなと思いますね。
今年は329名が入学しましたが、早稲田大学の学生が10名程度入りますので正確には340名位になります。

ハト豆: これから人数を増やす計画はあるんですか?

鷲 巣: ここのキャンパスでは、これが限度かなと思いますね。

ハト豆: 申し込みには制約があるんですか?

鷲 巣: 50歳以上の市民なら誰でも応募できます。
市内在住・在勤ですね。中には年齢を問わないというコースもあります。

ハト豆: 授業はどのくらいのペースなんですか?



鷲 巣: だいたい2週間に1回ペースです。
期間は1年間ですが、実質7ヶ月、8ヶ月くらいですね。
授業は主に土、日や平日の夜に行われています。
6月30日に並木公民館で入学式とガイダンスが行われました。
秋には大学祭もあるんですよ。

ハト豆: 入学金はいるんですか?

鷲 巣: 入学金はいりませんが、受講料は4,000円です。
コースによって、教材費が1,000円かかる場合もあります。
ハト豆: 学生の年代は?

鷲 巣: 60歳代が一番多いですね。

ハト豆: 定年後の人が多いんですか?

鷲 巣: 最近は再任用・再雇用で定年も65歳が多いので、まだ勤めてるという人が多いですね。
完全にリタイアしている人ばかりではないです。
働き方にも余裕がある人が多いです。
できれば50代の方に入ってきてもらいたいんですが、50代は忙しいんでしょうね。

ハト豆: 男女の比率は?

鷲 巣: だいたい半々位です。
普通、講座などをやるとほとんどが女性なんですが、盛人大学は男性も多いですね。



ハト豆: 運営は?

鷲 巣: 職員が3人います。
全部再任用・再雇用の人間なんですが、実行委員会として補助金が出て、事務局という形で我々職員が配置されているわけですが、半分民間で半分役所みたいな感じです。
市長が学長で、副学長が2人。
早稲田大学教授の早田宰先生と書道家の阿部晴山先生(NPO法人輝け盛人理事長)が副学長です。
運営委員会(委員10名)と実行委員会があって、実行委員会にはコース毎に部会長がいるんです。
基本的にはこの2つが企画して運営をするという形です。

ハト豆: みんなボランティアですか?

鷲 巣: もちろん、そうです。
1コースに7・8人位の委員がいますので、だいたい50人位いますね。

ハト豆: 卒業生は何人位いるんですか?

鷲 巣: そうですね、300人規模になったのは去年からです。
それまでは100人位の規模でしたしたからね。
その卒業生の人たちが、ボランティア団体を作ってパートナーステーションに登録をして、それぞれいろんな活動をしてくれています。
昨年度の卒業生はコースに分かれていろんな団体を作ったり、校友会というOB会を作ったんですよ。
300人の卒業生のうち、170人位が入ってくれています。
OB会を通して、何か活動をしたり、情報を投げかけたり、なんらかの形で繋がっておきたいなと思ってます。



ハト豆: 盛人大学を卒業してから活動する人は多いですか?

鷲 巣: そうですね。
上の写真なんかは、写真をキーワードにサークルを作っていますし、社会教養の人たちは「ビリーブ」というコーラスグループを作りました。
生け花の先生を囲んでサークルを作ったり、それぞれに活動しています。

ハト豆: 今までに一番人気のあったコースは?

鷲 巣: やっぱり「社会教養」ですね。
これはなんでもありなんですよ。
蕎麦打ちはあるわ、コーラスはあるわ、折り紙はあるわでいろんなものがあるから、入りやすいんですね。
これは平成18年からやってるコースなんですが、ずっと人気があります。
もともとパートナーステーションは、市民活動やボランティア活動を支援する場所だったので、そういうことに関心のある世代というのは2つあって、1つは青少年、もう1つは中高年なんですよね。
中高年は家庭でも子育てが一段落、仕事もそろそろ定年だという人たちが何かやりたいといったときにできるのが、地域活動なり、ボランティアなんです。
でも、女性は積極的に活動してくれますが、男性はいくら働きかけても来ない。「市民活動やりましょう」「ボランティア活動入門しましょう」といっても団塊世代でもダメでしたね。
ところが図書館にはたくさんの人たちが来ていて、知的欲求というか、勉強することは男性は好きなんですね。
「源氏物語講座」なんかをやると結構、男性が入ってくるんです。
これを逃す手はないだろうと思って、そのためにはいきなりボランティア講座だと逃げられちゃうんで(笑)、こういう市民大学のようなものを設けたんです。



ハト豆: いいアイデアですね

鷲 巣: これは埼玉県で「生きがい大学」をやってるでしょ。
昔、5、6年講師をやってきたんですが、受講生は男性が8割なんですよ。
毎年、1,000人位が集まるんですが、これは地域でやらないと意味がないなと思ったんです。
終わった人が、私のところに「これから何をやったらいいでしょうか」って相談に来たんですよ。そうしたら全員が違うところから来てるんですよね。
1人では何もできないじゃないですか。
これではいくらいい活動をして集まっても、結局は遊びの会で終わってしまうんですよ。
結局、地元で活動しないんです。
これこそ地元版を作ったら一石二鳥になるなと思って、県のをモデルとして始めたんです。

ハト豆: 「盛人」というのは誰が考えたんですか?

鷲 巣: これはミレミアムの21世紀になる年の2000年と2001年に50歳になる人を対象にいわゆる親たちの成人式をやろうという話から始まったんです。
蕨市が成人式発祥の地でしょ、だからその親世代の成人式ですよね。
全国で荒れた成人式があった時期が、ちょうど2001年頃だったかな。その責任者は誰かということになって、それは50代の親なんですよね。
だから親が子どもたちに成人式の見本をみせようじゃないかということで始まったんです。ちょうど私もその時50歳でした。

ハト豆: 盛人式は川口が初めてなんですか?

鷲 巣: そうです。
どういう名前がいいかといろいろ検討したんだけど、ある人が「成人」の「成」に皿をつけて、成熟した盛んなる人という意味がある「盛人」にしようということになって、盛人という名前にしたんですよ。
2001年の11月10日、川口の日に全国初となる「盛人式」をやりました。
そのときはテレビでも取り上げられましたが、そこから始まってるんだよね。



ハト豆: 盛人大学もそこから進化してきたわけですね。

鷲 巣: 盛人式はイベントで終わってしまうんですよね。
それで市民大学みたいなものをやって1年間拘束すれば、仲間もできて、必ず市民活動に繋がっていくだろうと思ったんですね。
以前はパートナーステーションでやってたんですが、人数が多くなって、パートナーステーションでは抱えきれなくなってしまったんですよ。
それで専用のキャンパスを設けて、需要に応えるためにコースも増やしたしました。
初めはヒマつぶしに来た人でも仲間づくりから、なんか活動をしようと考えてくれれば、盛人大学はあくまでもきっかけづくりでいいんですよ。
盛人大学は勉強するだけの大学ではなくて、勉強したあとに地域の中で活動することが本来の目的なんですよ。

ハト豆: ここまでくるには苦労もあったのでは?

鷲 巣: いきなり作ったらなかなかできないとは思うんですが、やっぱり平成18年に1コースからはじめて、コツコツやってきて、こういう大学を作ろうと言う熱意のある人たちがいたからですよ。



ハト豆: 受講生の中からそういう人たちが出てきたのは素晴らしいことですよね。

鷲 巣: これは、やっぱり役所の発想ではなかなか出てこないですよ。
中高年はこれからの若い人たちのために何か社会貢献をしなくちゃいけないですよね。
若い人たちはできないんだから、市民活動やボランティア活動をして社会にお返しをしなくちゃならないと思うんですよ。
ところが、男性は何をやったらいいのかわからない。
ボランティア活動をしている奥さんから「鷲巣さん、うちの亭主、定年後ずっと家にいて、いつ帰ってくるんだ、メシはどうするんだ、ともうホントやんなっちゃう。なんとかならないの?」って言われるけど、そう簡単にはいかないんですよね。難しいよね、男はね。
それでいて、パートナーステーションの上の図書館には毎日のように9時になったら並んでるんだからね。
弁当持ってきてる人もいるんですよ。
会社に行くように図書館に行ってるんです。
パートナーステーションを素通りして行く人を見て、これはもったいない、なんとかならないかとずっと考えてたんですよ。
仲間づくりが男はなかなかできない。
下手ですよね。
いまゲートボールだとか、カラオケだとか、老人会の世代じゃないでしょ、我々の世代は。
今はちょうど端境期なんですよね。
新しい高齢者政策をしなくちゃならないと思います。

ハト豆: 盛人大学の役割は大きいですね。

鷲 巣: 知的欲求から入って、そこから地域に入って行く。
普通の大学は社会に出るための大学だけど、盛人大学は地域にかえるための大学なんです。
それともう一つはここ西川口の活性化なんですよ。
いままでいろんな取り組みをしてきたんですが、なかなか活性化に繋がらないんですよね。
そこで中高年の学びの場としての盛人大学を核として、その活力や資源を、まちづくりにも繋げていくことも大きな役割になるのかなと思います。
ここは中国の人が多いんですよね。
ここの下に保育所があるんですが、半分は外国人の子どもです。
ですから「国際」というのも一つのキーワードかなと思ってます。
春節ギョーザパーティというのをやったんですよね。
そうしたら、中国の人が喜んでくれてね、みんなが喜んでくれるというんで前の日から一生懸命作ってくれたんです。
日本人はギョーザが好きじゃないですか。
みんなで焼いて食べたり飲んで、中国の子どもが琵琶を弾いてくれたり、歌を歌ってくれたり、民族衣装を着てみんなを楽しませてくれたんですよ。
やっぱり、地域の中で自分たちのことを知って貰いたいというがあるんですよね。
ですから、春節パーティをここで大々的にやろうと商店会の人たちとも話をしてるんですよ。



ハト豆: いいですね。

鷲 巣: 小学校でも日本語ができない子どもが多いんですよ。
会話は出来ても読み書きができない。
読み書きができないと勉強ができない。
そうすると仲間外れになったりして、どんどん悪循環になっていくんですね。それにいろんな日本のルールも教える人がいないんですよ。
それを「国際コース」のメンバーがやろうかという話もしているんです。
地域の問題は地域で解決しようということで、並木地区のコミュニティデザインを考えようという話も出てるんです。
盛人大学は、単に中高年に知的欲求を満足させるところだけではないんです。
地域の中の大学だという位置づけで地域の問題・課題をここで解決したいと思ってるんです。
ここは外国人が多いのでお祭りもできないんです。
コミュニティがバラバラだから、やる人がいないんですよ。
それもみんなで考えていこうかと話しています。

ハト豆: ここにキャンパスが出来た意味は大きいですね。

鷲 巣: そうです。
ただ、楽しかったというだけじゃなくて、地域の中で貢献する大学を目指しています。
目標は「学旨」なんです。
ふつうは教旨っていうんですが、盛人大学の場合は、教えるところではなくて、共に学ぶところなんです。
人、地域、社会が共に成長するのが目標なんです。
人だけが成長してもしようがないんで、人が成長して、地域の成長に繋がって、更に社会が変わって行くということなんです。

ハト豆: 今日はありがとうごさいました。




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