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オモシロ たんけん倶楽部



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 今月のオモシロたんけん倶楽部は
『赤山陣屋と伊奈氏展』
       開催中!


よみがえる赤山陣屋
関東平野の礎を築いた伊奈一族の足跡


川口市立文化財センター分館・郷土資料館(鳩ケ谷本町)で、3月30日まで『赤山陣屋と伊奈氏展』(関東平野の礎を築いた伊奈一族の足跡)が開催されています。
300年前の絵図を元に復元された赤山陣屋のジオラマ展示がされていると聞いて、『赤山陣屋と伊奈氏展』に行ってきました。




赤山陣屋をジオラマで復元!

「わぁ、すごい!赤山陣屋って、こんなに広かったんだね」
「まるでお城みたい!陣屋の周りには出丸、二の丸があって、家臣の屋敷がたくさんあるね。
天神・八幡・山王の山王神社や伊奈家の菩提寺の源長寺などもあって、なんか城下町みたいだね」
「緑豊かな大地が広がって、堀の外側は自然の低湿地を利用してる」
「この模型は、『赤山陣屋敷絵図面』(川口市指定文化財)を元に、現在の地図に対比させて作られたんだって。現在の様子もよくわかって興味深いね」
「今はこの出丸と本陣の間に外環道が通っていて、家臣屋敷地の南側には首都高速道路が通ってる。それに大宮道に越谷道・千住道、赤山街道はすべての道に通じるようになってるんだね」
「この赤山陣屋が、新田開発の拠点になっていたのよ」
この日、社会科見学に訪れた里小の3年生の生徒さんたちも、「里はこの辺なのかな」
と興味深そうに眺めています。
展示は、「伊奈氏について」「赤山陣屋」「赤山陣屋の発掘」「赤山陣屋と赤山街道」「武蔵国東部における伊奈忠治の支配地」「川口市域における伊奈忠治の知行地」「武蔵国東部における伊奈忠治の新田開発」「社会の騒擾と伊奈氏」「伊奈氏の改易」など、伊奈氏一族の足跡を詳しく紹介する展示になっています。



新田開発の拠点となった赤山陣屋

「赤山陣屋が出来たのはいつごろなの?」
「『新編武蔵国風土記稿』によると元和4年(1618)、関東郡代の伊奈氏が、江戸幕府の直轄地を治めるために作ったんだって。伊奈氏は、代々三河武士で忠次が家康に仕え、第3代の忠治の時にこの赤山に陣屋を築いたのよ」
伊奈忠治は、武蔵国の幕府直轄領約100万石のうち、約28万石を代官として支配していました。
現在の川口地域でみると、芝村・小谷場村・神戸村・西新井宿村・原村・大竹村・貝塚村の7村を除く地域が忠治の支配下にありました。
もちろん川口宿も鳩ケ谷宿も忠治の支配下でした。
その後赤山陣屋は、9代にわたって、約170年間も受け継がれてきたのです。
「伊奈氏の事歴を見ると、随分いろんなことをしてるんだね」
「そうよ、関東各地に備前堀と呼ばれる用水路を開いて、利根川や荒川などの大改修や堤防を築造、積極的に新田開発を行って、家康の天下統一後は、東海道や中山道に宿場を定め、伝馬の制度も整えたんだって。忠次は家康の側近として、農政面でも手腕を発揮して、幕府の経済的基盤の確立に大きな功績を残したのよ。
まあ、将軍家の経済産業大臣、建設復興大臣ってとこかな」



富士山噴火の被災地復興にも尽力

「飛騨高山も伊奈氏が治めてたのね」
「そういえば、高山陣屋に行った時に伊奈氏の名前があったわ」
「関東だけでなく、富士山噴火のときにも被災地の復興にあたってるんだね」
「エライね。領民からも神様、仏様、伊奈様と慕われていたのよ」
「数々の素晴らしい業績を残したのに、なんで伊奈氏は断絶してしまったのかしら?」
「忠尊のときに改易されたのよ。家中の内紛のためにお家断絶」
新田開発には農民に有利な待遇を与え、災害時にも大量の米を放出するなど、庶民からの人気が高かった伊奈氏。
自ら封建支配体制の犠牲になったとも言われています。
伊奈氏断絶により、赤山陣屋の建物は、すべて撤去されてしまいました。

新田次郎の『怒る富士』読んだ?」
「もちろん!伊奈氏がいかに農民に慕われてたかが描かれているよね。主人公の伊奈半左衛門忠順は、富士山の噴火被災地の復興にあたり、己を犠牲にして被災農民を救ったのよ」
「川口の人にはぜひ読んで欲しい本だよね」
「改易になったのは、お家騒動と言われてるけど、その人気を妬んでっていうこともあるんじゃないのかな」
「そういえば昔、伊奈氏のお家騒動を描いた舞台があったじゃない」
「リリアで行われた市民参加の楽劇『ふゆみそう』でしょ」
「忠敬の娘が幼馴染みとの恋を諦め、伊奈家存続のために忠尊を養子に迎えるんだけど、やがてお家騒動へと向かう、悲恋物語」
「ちょっと、伊奈一族の物語って、大河ドラマにいいんじゃない」


「赤山陣屋の発掘調査は、東京外環自動車道の建設のときに行われたんだね」
「空堀が発見されたのもこのときなんだね。出土品からも当時の様子が分かってロマンが広がるわ」
「赤山城址には、この展覧会を見てから行くといいね。空堀も復元されてるし、美しい竹林や生垣の続く遊歩道がきれいに整備されてる」
関東平野の礎を築いた伊奈一族の足跡。
展示は3月30日(日)まで川口市立文化センター郷土資料館で開催中です。
会期中入場無料。月曜日が休館日。
郷土資料館へは、「鳩ケ谷本町1丁目」バス停下車。



☆文化財講座
「代官制度からみた赤山陣屋と伊奈氏」
日時 3月8日(土)午後1時〜2時30分
会場 鳩ケ谷商工会・4階会議室 
定員 70名(先着順)
講師 高崎経済大学準教授 西沢淳男氏
主催 川口市教育委員会




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