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ハト豆ねっと


おしゃべりインタビュー



ハト豆記者のおしゃべりインタビュー!

今月のおしゃべりインタビューは
NHK「凄ワザ!」に出演した
ヘラ絞りの『白鳥勝彦さん』です。



ヘラ絞り一筋50年!
高い技術で究極の精度対決に挑む



高い技術を誇る日本のものづくり対決で人気のNHKの『凄(すご)ワザ!』。
その『凄ワザ』にヘラ絞り一筋50年の白鳥勝彦さん・政彦さん兄弟が出演!
「奇跡の極薄一体形状」を目指して、究極の精度対決のガチンコバトル。
世界に誇る川口のものづくりの素晴らしさを見せてくれました。
そこで白鳥勝彦さん(71歳)にテレビ出演のエピソードなどをインタビュー!
趣味のイリュージョンの話もお聞きしました。




白鳥勝彦さん(左)と政彦さん(右)


ハト豆: NHKの『凄ワザ』、すごい対決でしたね。
テレビ出演のきっかけは?

白 鳥: 今年の1月頃にNHKから連絡がありました。
担当者が「ヘラ絞りはどこも受けてくれる所がなくて、そういうものはできないと言われた」というので、「それならうちでやりましょう」と引き受けたんです。
7月18日(土)と8月1日(土)の2回に渡って放映されましたが、3月に1ヶ月間密着取材をして、4月に名古屋で本番の撮影があったんです。
『激突!旋盤VSヘラ絞り〜究極の精度対決』です。
材料も一番難しいチタンになりました。

ハト豆: テレビで川口の職人さんが出演されるのは、嬉しいですね。

白 鳥: 自分の所のチタンが、よそがどこもできないものができるというのは、それだけ研究しているからなんです。
それをNHKで全部さらけ出しちゃうんですが、それがヘラ絞りの底上げになればと思いました。
今、ヘラ絞りをやっているところは、川口、草加、春日部、戸田あたりで20軒程あるんですが、ほとんど1人でやってる所が多いんです。
あんまり目立たない仕事なんですよね。

ハト豆: 私たちもテレビではじめてヘラ絞りを知りました。

白 鳥: これが『激突!旋盤VSヘラ絞り〜究極の精度対決』の時のチタンの製品です。
こういう丸い形にして、板圧を0.3以下にするのですが、ここまで持ってくるのがたいへんなんです。
NHKから話があった時にも、「旋盤とヘラ絞りじゃ、やる前から勝負は決まってるじゃないですか」と言ったんですが、ヘラ絞りの方が難しいんですよ。



ハト豆: じゃあ、最初から勝負は決まってたんですか?

白 鳥: うちも旋盤はやってますから、社員にも「今回は勝負にはならないけど」って言ったら、「社長、珍しいね。最初から負ける仕事、なんで受けるの?」って言われましたよ。(笑)
でも、「旋盤とじゃ勝負にならなくても、ヘラ絞り屋じゃ、それができれば勝ったじゃない」と言いました。
20軒のヘラ絞り屋ができないって、どこも手を挙げなかったんだから、それを形にすればそれだけで大きな成果になりますからね。

ハト豆: いろんな実験もされたんですか?

白 鳥: そうですね。いろいろ試行錯誤して作りました。
ただ、撮影が年度末の一番忙しい時期だったので、それは結構たいへんでした。



ハト豆: 1ヶ月間の密着取材ですか?

白 鳥: はい。ドキュメントみたいにやるので、朝11時頃に来て、5時半頃までずっとです。
朝は川口市内を撮影したりしてたみたいですよ。
4月に2日間、名古屋のスタジオに機械を持ちこんでやったのですが、撮影がなかなか終わらなくて、ギリギリ最終の新幹線で帰りました。
リハーサルの時にも相手の人とは絶対、顔を合わさないようにしていたので、本番ではじめて顔を合わせました。
ですから挨拶も出来なかったんですが、後から連絡を取り会いました。

ハト豆: 白鳥兄弟って紹介されてましたね。



白 鳥: うちではチタンは通常やってる仕事なので、若い人にやらせようとも思ったんですが、弟も高校を出てからずっと私と一緒にやってきてくれてるので、弟の政彦(64歳)にやって貰いました。
妹も弟の仕事は見たことがないんですよ。
今回、名古屋に一緒に行って、はじめて弟の仕事を見て、「NHKに取り上げられるまでに育ってくれてありがとう」って、涙をこぼして喜んでました。

ハト豆: 放映後の反響は?

白 鳥: NHKは民放と違って、すごいですね。
見た事もない人から「見ましたよ」って声を掛けられたり、50年以上も会ってない小学校の同級生が手紙をくれたり、FAXをくれたりしましたね。

ハト豆: 川口のPRにもなりましたね。

白 鳥: そうですね。
ありがたいことだと思います。
川口の商工会議所にもお世話になっています。
平成24年には『川口i-monoブランド製品』にも認定されて、平成25年には、弟の政彦が『川口技あり賞』を受賞しています。

ハト豆: ヘラ絞りの仕事を始められたのは?

白 鳥: 私は長野から出て来て、中学を出てから十条で住み込みで働き始めました。
それから5年位して、20歳のときに独立しました。
川口に移ったのは平成2年の時です。
昔はヘラ絞りは照明器具とか、家庭用品のステンレスボールなどだったんですが、私が修業しているときは、縁日で売るような小さなフライパンややかんを作ったりしてたんですよ。
今は工業製品が多いですね。
宇宙ロケットなどもやりますが、そういうのは宣伝にはなりますが、1個ですから商売にはならないんですよ。
凄ワザでやったのは、原発でフランスにいくものをうちでやりました。
自分でものを作って売るのではなくて、相手から「こういうものを作ってくれ」と図面を貰ってから、ヘラ絞りの図面を書いて加工します。
うちは50年以上やってますけど、今まで1回も仕事を断ったことはないんです。
そして1回も出来なかったことはないんです。



ハト豆: それはすごいですね。

白 鳥: 例えば、図面が来て、「これをいつまでに何個やって欲しい」と言われて、「申し訳ない。うちではこれは出来ない」となると、どっか他を探してやるわけですよ。
他を探して出来たということになれば、「箕輪ヘラ絞り製作所は大したことはない」と思われて、次から絶対仕事が来なくなるわけです。
ですから、1回も断ったことはないし、1回も出来なかったことはないんです。

ハト豆: だからNHKも断らなかったんですね?

白 鳥: そうですね。
NHKも同業者に「うちでは出来ないけど、あそこに行けば出来ると思うよ」って言われて、うちに来たって言ってました。

ハト豆: 白鳥さんは趣味でマジックのイリュージョンもされていますが、イリュージョンも自分で制作されるんですか?

白 鳥: はい。自分で考えて、道具も全部自分で作ります。



ハト豆: 『モヤモヤさまぁ〜ず』にも出演されましたね?

白 鳥: そうですね。民放には結構出てますね。
マジックをやり始めて18年になるんですが、忘年会とかで唄わされたりすることがあっても、3曲位しか唄えないので、他に何かないかなっと思った時にマジックと出会ったんです。
最初は少し習えばいいと思っていたんですが、先生からサークルに誘われて、今は2つのサークルに参加してます。
いろんなマジックをやるうちに、もっと目立つものはないかなと思うようになって、イリュージョンをやるようになったんです。
いろんな所でやるようになって、2年前には名古屋の御園座で開催されたジャパンマジシャンフェステバルにも出演しました。
10月25日(日)は虎ノ門・ニッショーホールでもやります。
(東京アマチュア・マジシャンズ・クラブ主催)

ハト豆: 今日はお忙しいところをありがとうございました。




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